慶早戦パンフレットデータ 第45回(1987年)

パンフレット表紙
第45回
開催 :1987年6月7日
会場 :慶應義塾大学日吉記念館

大学男子メンバー表   大学女子メンバー表
   
部長 新田 敏 法学部教授 部長 新田 敏 法学部教授  
監督 小田恒義 S40年卒 監督 立花雅男 S37年卒
コーチ 宮幸 朗 S53年卒 コーチ 佐々木三男  
トレーナー 木塚孝幸 経済4 慶應義塾 主務 栗田恭子 経済3 慶應女子
主務 飯野英隆 政治4 慶應義塾  
 
渡辺信治 文4 F 186 仙台二 刈田こゆき 文4 164 慶應女子
小金丸隆則 法律4 G 176 慶應志木 溝上淳子 文4 157 国分寺
菊池正則 法律4 F 185 立川 肥谷令子 政治4 160 慶應女子
岩崎高治 経済3 G 176 慶應義塾 鈴木昌美 経済4 161 慶應女子
奈良安洋 政治3 G 180 浜松西 藤井夕美 法律4 157 慶應女子
秋田誠一郎 法律3 G 180 慶應義塾 増田裕子 政治3 158 西
10 松本 立 商3 C 191 修猷館 10 阿部牧子 政治3 172 慶應女子
11 池田弘樹 経済3 F 183 武蔵 11 坂口直子 商3 167 米子東
12 宮崎 浩 政治3 G 179 四日市 12 深瀬公子 文2 173 慶應女子
13 橋場慶太 政治3 G 170 ローリングヒルズ 13 内田伸子 法律2 158 戸山
14 平田典史 法律3 F 184 慶應義塾 14 位田淳子 法律1 157 四日市
15 実吉邦純 理工2 CF 191 桐朋 15 伊藤千佳子 経済1 158 慶應女子
16 柳沼和登志 法律2 GF 183 安積 16 新村明子 商1 157 西
17 飯田 浩 経済2 G 173 慶應義塾 17 植松千代 法律1 164 慶應女子
18 福島朗太 法律2 G 170 慶應義塾 18 吉田美樹 経済1 173 慶應女子
  19 近藤有子 文1 164 慶應女子
20 永瀬桂子 理工1 166 慶應女子

 

CLOSE UP INTERVIEW

僕たちって欲張りだからもう一度、塾長招待に行くゾ

今年の慶応を支える三本柱は、故障からカムバック、今年は主将として燃える渡辺、ポイント・ガードとしてチームをリードする岩崎、進境著しいセンター松本の3人だ。
伝統の一戦を控え、この3人に直撃インタビュー。
*
BB 初めにバスケット歴を教えて。
岩崎 僕は中1から。中学ではフォワード・ガード、高校からはずっとガードです。中学の最高成績は都大会2回戦進出かな。中学のとき、一応(慶応)高校のコーチから「うちを受けないか?」と声をかけてもらったんです。それまでは、実は先輩が(早大)学院にいたのでそっちに行くつもりでしたから、一歩間違えれば、早稲田のユニフォームを着てたかもしれない。
渡辺・松本 ホォ〜オ!
岩崎 大学に入って1年のリーグ戦でプレス要員として出たのがデビュー戦。スタメンになったのは2年のリーグ戦から。スタートの人がケガでラッキーな面もありました。その試合で、しょっぱなのシュートが決まって、その後も何となく自信もってやれたような気がします。
渡辺 僕は小5から剣道をやってたんですよ。初段までいって大会に入賞したこともあったくらい。それが中2のとき首のケガで休まなくてはいけなくなって、バスケット部の友人に誘われて、中3から入部。結局3か月くらいでしたけど。
市で1回戦負けのチームでしたが、仲間とワイワイやるのが楽しくて、剣道部には戻らなかった。個人スポーツと団体スポーツの差ですね。高校に進んでからも気がついたら、バスケット部にいた(笑)。高校時代も楽しかった、上級生は恐かったけど。全国大会は、3年のときに安城インターハイと国体に出ました。
BB 大学2年のときのケガは、やっぱりターニングポイントだった!?
渡辺 ケガらしいケガは初めてでした。じん帯を切る手術をして、カムバックしたのは秋のリーグ戦。トーナメント1週間前にようやく動けるようになって、それでもトーナメント、慶早戦とベンチ入りさせてもらったんです。3月のはじめに入院、退院後4月半ばまで仙台に帰ってました。「帰ってこないのでは・・・」と噂がとんでたようですが、僕はとにかく“やりたい”と思っていました。当時ちょうど代がかわることもありましたから。みんなともマメに連絡をとっていたのも励みになった。今思えば、あそこがターニングポイントだったかもしれませんね。
松本 僕は高1からです。中学では野球部で、ポジションはファーストでした。入学当時身長がすでに186cmあったせいか、先輩に強引に誘われたんです。休み時間になると教室に来て、「練習を見るだけでいいから」といわれ体育館に行ったら「おお!!入るか」それで終わりです(笑)。
渡辺 リュウらしいなぁ!!(笑)
松本 プレイは全然できなかったけど「お前はゲームでうまくするから」といわれ、初めて試合に出たのが1年の秋でした。チーム最高成績は選抜ベスト8入り。大学は推薦で入りました。女子のコーチが高校の監督の後輩でお世話になって、バスケットからどうしても抜けられない(笑)。でも今まで何回も泥沼にはまって、“やめたいなぁ”と思ったのですが、その度に囲りの人から説得されて今日に至ってます。

BB 慶早戦の思い出は?
岩崎 中3のとき、先輩から定期戦の券をもらってみたのが初めて。そのときは「大学生大きいなぁ」と思ってみてた自分が、慶早戦に出るなんて意外ですね。印象深い試合は去年の勝利。ビデオでみるとかなりシュートも落としているんですけど覚えているのは入ったやつだけ(笑)。
渡辺 5年ぶりですからねぇ。勝てばオフが長くなるっていう説もあったし、力が入ったよなぁ。
岩崎 早稲田がどんどんいい面子を入れているので、去年勝たないと、今後勝てそうもないような切羽つまった感じもありましたから。
BB それでオフは長かった?
渡辺 長かったような、あまりかわんないような(笑)。
1年のときの早稲田はディフェンスのあたりとか全然違い、やりたいことをやらしてもらえなかった。去年はそのプレッシャーがなくて、“いけるかもしれない”と思ったし、実際勝てて本当に嬉しかったです。負けた試合は自分が何十点入れたって嬉しくない。“勝つ”っていいなぁと実感しました。それと初めての“塾長招待”は完璧でした!!
松本 1年のときは“早稲田にかたなくては”といわれてもピンとこなかった。感覚が違ってました。でも去年はチームがまとまって全員が喜べたし、自分なりに思うようなプレイが出来たこともよかった。
渡辺、岩崎 うん、上出来だった。
松本 シュートが入らないので打つまいと思っていたのに、打ったら入ったので“ラッキー”と調子に乗ってしまったんですけどねぇ(笑)
BB さて、今年は!?
渡辺 難しいですよね(といってマイクを岩崎君に向ける)。
どうですか岩崎君、調子は?
岩崎 一度勝つと今年も勝ちたいと思う訳で、立場的に苦しいかもしれないけど、そこは慶早戦ということで、みんなまとまって勝ちましょう。
渡辺 今年は松本君の出来いかんといわれていますが、どうでしょう!?
松本 僕が悪くても、信治さんと岩崎さんがカバーしてくれますから!
岩崎 うまいねぇ!(笑)
渡辺 やっぱり、俺ら欲張りだからもう一度塾長招待に行きたいな!あの感激をもう一度味わいたいのが本音です。早稲田も頑張ってくると思うから、なるべく慶応は弱いと油断させといて、ガツンとやりたいな。
岩崎 そんなこといってプログラム載ったらバレちゃうと思うけど...
松本 相手も“ブランド”してますからブランド喰いも楽しみですよね。
渡辺 喜びも2倍になるワケだ。
BB それでは、本番の活躍を期待しています。
渡辺・岩崎・松本 ハイ頑張ります!

慶応の三本柱
左から渡辺、岩崎、松本。6年ぶりの慶早戦会場
となる日吉記念館のゴールを背に意気盛ん

Á LA CARTE

まずは、昨年の慶早戦で5年ぶりの勝利による“塾長招待”の話題から。これは各慶早戦で勝った部のみ招待されるもの。12月、上野・東天紅に集ったのは、アメフト、野球、剣道、ゴルフ、テニス・・・そしてバスケット部。「世界が違うと感じました!」と初めての塾長招待に出席した面々。何たって石川塾長と一緒に写真も撮った。そのときのお言葉は、「大きいなぁ〜」だって。
それだけに、「今年も慶早戦に勝って塾長招待に行くぞ!」と皆燃えている訳なのだ。

昨年の女子のフォーメーションはネーミングされていた。これは、そもそも佐々木コーチの発案。とんねるずの憲武ファンである深瀬さん(ちなみに合宿中の芸ももちろんとんねるずモノ)はすかさず“西麻布”と命名。さらに、“マイケル”、“ビビンバ”等が開発され、試合中真顔で、「マイケル行きます!」「ビビンバです!」などと大声で叫ぶのだ。相手がうけてるスキにゴールを決める。「ま、慶応ならではの技、いわゆる頭脳プレイですね」と涼しい顔。ずっと昔は、“果物シリーズ”があり、ベンチで佐々木コーチは「ピーチじゃない、バナナだってい ってんだろうが!」と怒鳴っていたとか。

2月の第一次合宿中のこと。全体ミーティングが終わり、スタッフミーティングを行うため外に出かけた学生スタッフ一同。「鍵をあけといて」といったにもかかわらず帰ってくると、しっかり鍵をかけられしめだされてしまった。そこで、飯野、田代君は田代君のアパート、木塚、伊藤、岡、佐野、椎津君は2台の車に分かれて、原口、井上、窪田、藤田君は部室に寝ることにした。悲惨だったのは部室組。2月終わりの日吉はまだ寒い。明け方近くになって、「これじゃあ凍え死ぬ!」と跳び起きた窪田、原口君の2人は、ミスタードーナツの店に行き、暖を求めて東横線の始発に乗り、7時からの練習に備えたのであった。

「100のニックネームを持つ男」といえば、奈良君のこと。ハラ、ラッコ、アザラシ、トド、パンダ、ドラエモン、二枚舌、タツノリ、オレ(注 イントネーションに注意。オにアクセントを置く)等々。このニックネームだけでもどんな人か想像がつくでしょ。この人は酒豪の部門でもNo.1.お酒一升は軽く、そのスピードもスゴイ。さらに、カラオケ好きも有名で、みんなでよく自由ヶ丘で電車の扉が開くやいなや、他の者のバッグをむりやり引っ張り降ろしてしまう。もちろん行先は・・・“スタジオ5”。そして十八番の“雪国”を思い入れたっぷりに歌うのが常である。
ちなみに、カラオケNo.1はトレーナーの木塚君。じっくり聞かせる実力はで、沢田研二の“危険な2人”を歌わせれば天下一品だそうだ。

超ザンギリ・カットの髪型から、“昭和学院四日市分校出身”といわれているのは女子のルーキー位田さん。諸先輩の印象を訊ねると、「プレイもうまいし、みなさんキレイでお嬢さまばかり。私もこれからは髪を伸ばします」(位田)
さて、バスケの実力は昭和並み!?「それは慶早戦まで秘です」だって。

慶応アメリカン・トリオといえば、秋田、橋場、湯浅君の3人を指す。3人とも英語が堪能なのだ。特に橋場君は、出身校がローリングヒルズ高。全米ランキングNo.2のデュ・ポール大のセンターとビッグな友人を持つ人だ。日常会話にも英語がポンポンとびだす。例えばミーはファール・ド・アウト(5ファールの意)が多かったので・・・」といった調子なのである。
同じ外国語といえど、菊地君の場合は「インドネシア語なら任せろ」というのもしみじみ納得します。

毎度おなじみ何でもNo.1を披露しましょう。
○単位“A”収得者 福島朗太、内田伸子(2人とも1年間で13個のAをマーク。人は“26個”と呼ぶ。何故か同じ科目ばかり、その辺をよ〜く考えれば理解できる・・・よね!)
○もてる人 渡辺信治(各学校にまんべんなく人気がある。「いや、各会社もだよな」とやっかみの声あり)
○大食漢 実吉邦純(合宿で人の分までキレイにペロリとたいらげる)
○カムバック賞 実吉邦純(2年間の沈黙を破り今春復活!一説には香港に留学の噂もある。早くもこの実吉君がスタメンに入ることが、同時に慶應の台所の苦しさを物語る)
○オシャレ 木塚孝幸(なんたって家にポルシェがある!!)
○成長株 松本 立(メキメキ頭角を現わし顔つきも変わってきたリュウ君。最近は練習前に先輩を塾高の練習に誘う。「昔は考えられないセリフだよなぁ」と某4年生も証言する。

今年も期待のルーキーが続々と入部。川北君は慶応のカール君ヘアーだが、れっきとした塾高出身者。また、「大学に入って一番驚いたのはボールを磨くこと」と答えたのは三室君。この三室君は昨夏の岡山インターハイで七尾を準優勝に導いた主将。10畳の下宿には洗濯機、ビデオ、CD、シャワー付きお風呂とリッチな下宿生活を送っており、「一度三室の部屋に行くと帰りたくなくなる」(湯浅)というほど。
しかし、極度の方向音痴のため2回以上乗りかえがある練習会場には必ず迷子になってしまうカントリーボーイなのである。

 

まだ、発展途上のチーム。
慶早戦は思い切りやる!

慶応義塾大・宮幸 朗コーチ

今年のチームがスタートするにあたり立てた目標は、昨年同様“走るチーム”“全員バスケット”である。昨年は、5年ぶりに慶早戦に勝つことができた。しかし、結果はともかうチーム自体の出来は今一歩だったように思う。
力的には、今年のチームは、昨年のチームと比べて遜色ない。とはいっても、力不足は明らかだし、まだこれからのチームである。
私自身コーチ就任2年目ということで“走るバスケット”に関しては徐々に浸透してきている手ごたえは感じている。これをさらに確実なものにしていかなければならない。
その意味でも、今年のチームの柱は、何といっても主将である渡辺であろう。ディフェンス、走力ともにいいものを持っている選手だ。今年は、彼がいかにチームをまとめるかにかかっているといっても過言ではない。持ち前の統率力をフルに発揮して、活路を開いてほしいと思っている。
最終的な目標は、リーグ戦でBグループに昇格することではあるが、もちろん慶早戦に勝つことも、もう一つの目標である。確かに、早稲田はBグループのチームであり、勝算はむずかしい。しかし、勝負はやってみなければわからない。結果を恐れずに、思い切ってぶつかっていきたい。

 

〔表紙写真 月刊バスケットボール編集部/取材構成 月刊バスケットボール編集部・BUBUNCHOさん

 

 

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